恍惚のかなた

今日も今日とて、何を書こうかと考えあぐねいている。
昨夜は確かに「そうだ、あの事書こう！」と思い付いたはずなのだけど、
朝になってまったく思い出せない。
記憶力の衰えが凄まじい。
若いころはメモを取ることさえ煩わしかったのに、
今となっては、メモを取ったことさえ覚えていない。
自分のメモの字を見て、「いったい誰が書いたのか！」と思ってしまうほど(笑)

忘れてしまえることはある意味幸せだ。
いやな思い出はもちろんだけど、毎日新鮮味にあふれている。
日々是好日。と、いい方に取っておこう。

このまま、恍惚のパラダイスに身を投じてもいいかも。と、ちょっと現実逃避したりする。
でも、きっと、そうは簡単に至らないのだろうな。
痴ほうがはじまった方は、不安にさいなまれる。（そのように見える）
もし、自分がそうなったらやっぱり不安なんだろう。

ずいぶん前だが、渡辺謙さん主演の映画「明日の記憶」をTVで息子と見ていた。
「お母さんがこうなったら、施設に入れていいからね」というと、
「はい、迷わず！」と即答。
さみしい反面、すがすがしい答えに安心もした。

いつの日か、「気がつけば知らない施設！」なんて日が来るかもしれない。
そんな時は、おぼろげな記憶で「そうか、そろそろその時だ。パラダイスに行こう！」
そう思える心の準備をしておこうか。