シロアリの季節です

たまには建築士らしいことも書こう。

シロアリとは、実はアリではない。
昆虫綱ゴキブリ目シロアリ科。ゴキブリの仲間。
女王アリを中心にコロニーを作る社会性のある生活がアリによく似ている。
昔から日本にるヤマトシロアリは大人しく、イエシロアリはやんちゃ!
家白蟻は、昨今多く広まってしまって、いったん家に入り込むと食べ進む速さも早く
被害は2階へも広がっていく。
シロアリは人間にとっては害虫だけど、地球環境にとってはとても重要な働きをしている。
山の中で倒れたて腐った木を土にかえすために必要な益虫だ。

シロアリは体の表面が乾くのを嫌う。
日当たりや風当たりを嫌うため、そんな場所を進むために蟻道というトンネルを作る。
また、シロアリが好む木は、水分を含んでいるもの。また、腐朽しているものだ。
大工さんに聞いた話では、南側で雨漏りのある場所がよく被害にあうという。
ぬれたり、乾いたりを繰り返した木が好物のようだ。

6月の梅雨の始まる時期の夜に、羽を付けたシロアリが新たなコロニーを作るのに最適な場所を求め一斉に飛び立つ。腐った木、おいしそうな木を見つけるとそこに巣を作る。
たいていは、枯れた木を見つけてコロニーをつくる。が、まれに家の中にコロニーを作る。
この季節、たまに羽の生えたシロアリが部屋の中に迷い込むが、それはただ迷い込んだだけ。何十羽も一度に姿を現したら、床下点検をした方がよさそうだ。
シロアリ被害にあう多くの住宅は、近隣の木にコロニーをつくったシロアリによるものだ。
昔から桜の木は敷地内に植えるなと言われている。それくらい桜の木とシロアリは相性がいいようだ。
元気に見えるさくらにも、シロアリが生息している場合が多く、その根を伝って地下で広がり住宅に及ぶこともある。

シロアリ業者の中には「シロアリはコンクリートも食べる」と言う人もいるようだがデマだ。
確かに食べているように見えることもある。が、食べない。
コンクリートのわずかなひび割れを通って侵入する。
湿気を好むので、コンクリートの下は居心地がいいらしい。
設備配管とコンクリートの間をぬって侵入することが多いと聞く。
他に侵入経路としては、ベタ基礎(基礎の床全面にコンクリートを打ったもの)の水抜き穴や玄関が多い。玄関は基礎を打ったあとに再度土や石を入れてコンクリート打つことが多く、どうしても初めのコンクリートとの間に隙間が生れる。その上にタイルを貼ると見つからず、シロアリにとっては体を乾燥から守りつつ侵入できる。そのうえ鉢植えの水で湿潤状態!シロアリにとって風も日も当たらず恰好の通り道になる。
一時期、基礎断熱が流行っていたが、基礎と断熱材の間もシロアリにとって格好の通り道だ。そのうえ冬も温かいと来ているのでシロアリにとっては天国にちがいない(笑)

シロアリ予防にホウ酸がいいと聞く。
ホウ酸は人体には無害なので、海外でも多く使われてきたようだ。
ただ、ホウ酸は予防策には有効だが、駆除にはならない点には注意だ。


シロアリ駆除の薬も多く出ている。
心配であれば、シロアリ駆除業者に依頼するのが手っ取り早い。
良心的なシロアリ業社は侵入口を特定してそのあたりにのみ駆除の薬を使用したりする。
豊富な知識をもつ業者がいいのは間違いないだろう。蟻道を見つけるには経験が必要と聞く。
特に玄関周りは、床下に潜ってみてもなかなか目が届かない。
最近は、シロアリが木材を食べる音を読み取る機械もあるという。
目に見えない部分の駆除の成果を、その機械で確認するようだ。

目に見えるところで発見できた場合。ベイト工法で駆除するのがポピュラーだ。
ベイト工法とは、バイト材を巣に持ち帰らせて「巣ごと根絶」させるものだ。
見ていると、初めのうちは職蟻がせっせと活動しているのだが、そのうち職蟻が減っていき兵蟻が現れる。職蟻は胴体が長いのに対して兵蟻は頭が大きい。
そして、兵蟻の活動も見られなくなってやっと根絶を確認!となる。

なぜ、私がこんなにシロアリに詳しいのかというと、我が家が被害にあってシロアリ業者さんと仲良くなったから(笑)
皆さんも、たまに基礎周りと床下点検を行いましょう!

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