家庭内の不慮の事故。実は交通事故の死亡者数より多い。
H18年
交通事故死亡者数 6000人そこそこ
家庭内での不慮の事故による死亡者数 2万人を超える。
家庭内における主な不慮の事故の種類別で溺死が3割を占め、近年も増え続けている。
ヒートショックという言葉を聞いたことあるだろう。
急な温度差により、主に循環器系や脳への血流の問題が起こると言われている。
急激な温度差が原因であるなら、北海道のヒートショック率は高くなってもおかしくないのだが、
なんと、ヒートショックの数は全国でも低い地域となっている。
理由は、全館が同じくらいの気温に保たれているからだろうと言われている。
しかし、北海道でも、いわゆるヒートショックの死亡者数は、近年増えている。
かつての北海道は、浴室は凍るような寒さだった。
それよりも近年の方が増えているのだ。急激な温度差が原因!という根拠が揺らぐ。
単に高齢者が増えてきたこともあると思われるが。
建物が暖かくなってきた北海道でも近年増えている事実は無視できない。
実は、ヒートショックの定義づけはあいまいだったりする。
疾患も特定されていない。浴室・脱衣室や便所など服を脱ぐ場所で冬に死亡するもの、
ということなのだろう。
お風呂での溺死もひとくくりに語られる。
しかし、実は、お風呂で寝てしまうことは軽い失神だと言われている。
血流の問題で、脳に酸素が行き届かなくなるためにだと聞く。
溺死にはこれが原因のことも多いと思われる。
温度差も確かに一理あるかもしれない。しかし、この失神が原因の場合が多いと私は思っている。
温度差をなくすために、外気温に近づけたほうがいいという話を聞いた。
これも、おかしな話で、近年ヒートショックの多い県に福岡が入っている。
もう少し以前は、鹿児島も入っていた。
九州の昔ながらの家では、冬の外気温がそのまま室温という状態。
それこそ、温度差は小さいはずである。
なのに九州は全国的にみてもヒートショック多発地域なのだ。
建築業界は、こぞって断熱性の重要性をうたっているが、
それは販売に有利だからつかっている可能性もある。
そもそも、ヒートショックというネーミングが誤解を招いているのだろう。と私は思っている。
ショッキングな言葉は、消費者を誘導しやすい。
もう一つ、誤解されているのは、土壁が断熱性に優れているという点。
断熱性がないわけではないが優れているのは蓄熱性であって断熱性ではない。
熱い時間のピークがずれるだけだ。
ただし、蓄熱されないように工夫することで断熱効果は上がる。
伝統的な住宅は優れているが、間違った使い方をすると効果が減るので要注意。
ということを伝えたかった。
建築は、全体のバランスが大切で、デザインだけだったり、性能だけだったりで、
注目を集めるのは住む人に対して優しくない。
肝に銘じたい。
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