建物は敷地を見てから

たまには建築的なことも書こうと思う。

最近は、計画を進めるうえでネットの情報は必須だ。
人生で一度の買い物。施主も多くの情報を集めて教えてくれる。
プロとして、知っておかなければいけないのかもしれないが、情報すべと網羅するのは不可能に感じ早々にあきらめている(笑)いや、あきらめたわけではないかな。時代の流れで、考え方もどんどん変わってくるので、考えの芯だけは揺るがないよう気を付けている。

では、芯とはなんぞや?

設計士に依頼するのであれば、「豊かさ」を重視してもらいたい。
「豊かさ」とは?
それは個々人で違うので、自分が生きていくうえで大切にしていることから深堀して一緒に考えていきたいと思っている。
例えば、人が集まり語らう家にしたい、家族でゆっくりと楽しめる家にしたい、趣味の○○を楽しむ家にしたい、家で仕事ができるようにしたい、外と内をつなげて庭も楽しみたい、共働きなので家事をスムーズに家族の時間を増やしたい、自然素材にこだわりたい、皆で料理を楽しみたい、などなど、
家に題名をつけるのもいいと思う。

次に、快適性も必須!ないがしろにしてはいけない。
高気密・高断熱の追及はしなくても健康的に暮らせる家でなければいけない。ストレスの多い家は愛着も激減してしまう。長く愛される家にすることが、地球環境にも優しいと考えている。

高気密高断熱もいいのだけど、最近はあまりに行き過ぎているような気もする。もう少し、おおらかに生活の仕方で工夫できる余地も残した方が、外とのつながりも生まれてくるのでは?と考える。

そして、そして、大切なこと。建物は敷地から考えること。
最近は、間取り集がピンタレストにあったりするようだ。この間取りで考えている、と図面を見せられることが何度かあった。よくできた間取りだな~と関心はすれど、敷地に合わせずに間取り先行だと光の取り入れ方や風向きなどを無視した家になってしまう。そこから、少しづつ手を加えるとどうしてもちぐはぐな感じの家になる。壁の位置がずれて間崩れになり、構造に無理ができていたりする。
リビングを広くと思うあまり、中心部が暗くなっていたりする。
敷地から建物を考えればスムーズにいく。光と風はどこから入り、玄関をこっちに持ってくる。どの部屋からどんな風景が見えるかなども大切にすることで、家族の安らぎや愛着も増すと思っている。

迷う気持ちはよ~くわかる。すべてを網羅して失敗のない家にしたいと誰もが思う。
家づくりは決断の連続だ。何かを大切にするために何かを潔くあきらめることの連続。家族間で判断が違ってくるから大変だ。

家づくりのために、家族がないがしろになっては本末転倒。
行き詰ったら、コンセプトを見つめなおす時間の余裕が欲しいのだけど、なかなかね。事情がある。
なので、ぜひとも時間に余裕を持った早めの相談を。

コメント

タイトルとURLをコピーしました