窓の種類はいろいろあるし役割も違ってくる。
建築に求められる窓の役目としては、
光を取り入れること
外界へ視界を届ける
室内へ空気を取り込み、換気する
火事の際、煙を外へ排煙する
火事の際、外への避難にも使われる
逆に内外の火事に対して防火・防炎・防煙する
多くの人が利用する建物ほど、法律で上記のことが厳しく規定されている。
今回は光の取り入れ方についての説明する。
窓について
窓からの光は天候だけではなく窓辺の状況によっても変わってくる。
当然だけれど、窓の外をふさぐようなものがあると暗くなる。
簡単にイメージできるだろう。
しかし、自分の敷地の境界線の向こうは自分の勝手にできない。お隣さんが敷地ギリギリ高い塀や生け垣を設置しても取り除くことはできない。なので、敷地からの窓の距離は重要で、法律でもそのことを規定されている。さらに、建物の高さが高くなるほど下階へ光は届きにくくなるので、敷地境界までの距離÷建物の高さ、から建物の中へ光が入る量を推定するような規定が存在しています。
規定をギリギリ、クリアしていても感覚的に暗く感じる。
つまり、規定は最低限と認識していた方がいい。何でもそうだけど、規定は最低限の決まり事。
大きな平屋の中央部分は暗くなりがち。なので、トップライトや光庭や中庭を取り入れることになる。
ガラスについて
ガラスは透明ガラスよりすりガラス(型板ガラス)の方が光を拡散して屋内に光を届けられる。
すりガラスを通って入ってくる光は、淡く全体的に均一的になってくる。
日本には、障子の文化がある。
障子は光を拡散して光を奥へ届ける工夫でもある。(障子に落とす光の影もいとおかし(笑))
外界の光について
天候によって光の特性も変化してくる。
建築的には、薄曇りの日が一番明るい日と言われている。
薄曇りの日が一番室内に光を届けるから。
窓の位置や高さによっても光の入り方は変わってくる。
高い位置にある窓からは、室内の奥にまで光を届ける。
低い位置の窓は、光に期待できないが、換気には有効(空気がぬけること前提)
低い位置の窓の外にある風景を楽しんだり、白い地面から光の跳ね返りを期待したりもする。
方角でいうと、夏の南向きの窓は以外にも光の取り入れる量は多くない。
太陽高度が高い事と、照射時間も短いから。夏至を過ぎると真東、真西より北側より日の出入りがあるためだ。北側の窓からも光が入ることになる。
逆に冬は南向きの窓から、光が一番入る。
北側の窓は光の入り方が安定している時間が長いので、アトリエやギャラリーなどは
北側の高い位置に窓があるのが理想的。
外環境
外環境を整えることで光を取り入れる技もある。
窓の外に、光を跳ね返すような工夫などをする。
地面からの跳ね返ってくる光も大きく影響する。白洲の玉砂利の庭などがそうだ。
また北向きの和室などは室内に光を届ける技として、緑に光を当て跳ね返る光に期待したりする。
天窓は法律的に壁に着く窓より3倍の光の強さと定義されている。
確かに天窓は強烈な光を室内に届ける。
強烈なうえに雨漏れの恐れがあるので、設置場所や設置の仕方には気を配る必要があるが、暗くなりがちな個所は劇的に明るくなる。
光の取り入れ方がすごいと思う建築がある。
永山裕子さんの「丘のある家」
周りに高い建物がせまっていてプライバシーの確保も難しい。
視線がぬける箇所を切り抜いて建物に当たる光を室内に取り入れている。
一番好きなのが、その形を丘に見立てて木のモチーフを建てているところ(笑)かわいい。
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