麻酔

人生

先日、麻酔について知人と話した。
全身麻酔から覚める仕組みはいまだ解明されていないということだ。
へぇ~、そうなんだ~。と感心した。
かつて准看護学校に通っていたにもかかわらず、全然知らなかった。
確かに麻酔の危険性については教わったような気もするのだけど。そんなに危険とはね。

実を言うと私は、結婚してから手術を3回(日帰りも入れたら4回)も受けた身だ。
そのうち全身麻酔は2回受けた。(それぞれ完治、今は健康!)
麻酔から覚めかけている感覚は独特で、聴覚と意識は冴えているのだけど体が思うように言うことを聞かない。人によっては良からぬことを口走ってしまうらしい。私は、ただただ周りの音に敏感になっているのに目が覚めなかった。なので家族のひそひそ話が妙に気になった。だから、気を付けたほうがいい。麻酔明けの人の前で、陰口を言ってはいけない(笑)
麻酔から覚めると、今度は痛みが襲ってくる。一晩はもがき苦しむ。
若いころの手術は、気力もあるためか痛みに耐えられた。40歳過ぎてからの手術では、それはそれはもう痛かった。痛くて身の置き所がない感じだ。毎度のことだが、痛みに襲われると神様仏さまに「ごめんなさい、もうしません。」と心の中で謝ってしまう。何について謝っているのかよくわからないのだけど(笑)そして、心を入れ替えよう。きちんと生きようと心に誓うのだ。きちんと生きるって何なのかわからないまま。「ごめんさい、ちゃんとします」と一晩心の中でとなえる自分がいた。

術後もしばらく不自由な状態でベットから動けない。なので、先刻反省した「きちんとした生き方」について考えることとなる。「あ~、たすかった。ありがとう。」と、また、何に対してかわからない感謝の念を持ちつつ、きちんとした生き方を考えることになる。人は苦難にあってしか気づけないことがあるものだ。心底感じた。
人は死ぬ思いをすると自分を振り返るいいきっかけになる。

「せっかくだから生まれ変わろう!」と心にきめて退院。
なので私は3度生まれ変わったのでした。
もう、次はないといいな。

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