地方で建築設計事務所を営む女性建築士の人生経緯。
主婦のままでいいの?
結婚を期に、一度は専業主婦となるが
経済的自立がない=夫の世話になる。という感覚から、
「自分はこのまま家庭に埋もれて終わるのだろうか?」と自問する。
夫へ率直な気持ち、不平や不満を話すことができない自分に気付くこともあった。
自分らしく生きるって何だろう?
家事、育児をつまらないとは思わないが、少しの不自由さを感じる。
自由になるには、経済的自立が必要だと気付いた。20代前半。
建設業界へ
では、何がやりたくて何が得意なのか?
結婚直前に友人と行った住宅展示場がとても楽しかった。
勉強することも嫌いじゃない。じゃ、設計士になろう!と勢い任せに思った(笑)
しかし、設計士の資格取得には実務経験が7年も必要。
実務経験を積むにも、経験なしの子持ちの主婦を雇うところなどないだろう。
そう考えた私は、育児のかたわらインテリアコーディネーターの資格を取得した。
それを足掛かりに建築業界に足を踏みいれる。
工務店に入社するが、事務や雑用に追われる。やりたかったことはこれではない!
運よく設計事務所に転職できた。
給料は安いし、厳しく叱られるしとても大変だったがとても勉強になった。
お金をもらいながら勉強させてもらった感覚だ。
今となって思えば、素人に毛が生えた程度の主婦を雇ってくれてということに感謝しかない。
そんなおり、病気で休職することになる。
再度、再再度、人生について考える
1か月の入院だった。人生を考える直す時間ができる。
このまま死んだとして心残りは何か。
自分にとって大切なものは何か?と。
その時出した答えは「家族」だった。
子供とのかけがえのない時間の大切さに気付いた。今までなんと粗末に過ごしてきたことか!
退院後、職場に戻るように言っていただくが職を辞することにする。
家族との時間を大切にしたい思いと、正直、もうそれほど学ぶこともなく、
このまま残るとただの作業員になる、と感じたからだ。
その後、フリーで設計の補佐的な仕事をいただく。
人に恵まれ、お声かけいただく人も増えてくる。
いろんな方と仕事をして、それぞれの働き方の違いやいろんな経験を積むことができた。
そんな中、2級建築士に合格。
その後もフリーの活動を続けていたが、又も入院(別の病気)
またまた、人生を考える機会を得た。
家庭第一主義は、子供たちの旅立ちを期に終わった気がした。
では、死ぬ前にやりたかったことは何だろうと考える。
(「麻酔」に詳しく書いている。一度目の入院は結婚して直後。二度目、三度目の話。)
そうだ社長になろう!
そうだ、社長になろう!と。
設計の仕事も深みがまして、補佐的な役割よりどんどん責任の重いものが来るようになってきていた。
それじゃ、設計事務所を立ち上げよう。と思ったのが2015年だ。
それから早7年。
この7年も中身が濃い7年だった。
時代の変化もめまぐるしい。
自分で責任を負うことについても実体験から学んだ。
仕事についてもいろいろ考えた。
楽に生きようと思えば、楽に生きられる。
でも、それじゃ全然つまらない。
死ぬとき、生きてきた感想をなんて言いたいか、時々考える。
人に迷惑もかけてきたしこれからもかけるだろう。
これからは迷惑かけた分、少しでも周りに還元していきたい。
どうしたら、還元できるか模索中。
只今、ちょっとカオス状態(笑)