災害に強い家について考えてみる

熊本城 建物の無いところが崩れる 思い
熊本城 建物の無いところが崩れる

近頃災害が多発している。
自分の家は大丈夫!などとは言っていられない。
集中豪雨は年々激しさを増す。
地震はいつどこで起きてもおかしくない、と思っている。
竜巻も起こるようになってきたし、
大雪が降る場所ではないはずの場所で大雪になる。
予期しないことが起こっているのかもしれないが、
これも人の「業」による結果と受け止めるしかない。

ここ九州は特に雨の被害がひどくなってきている。
雨による被害は冠水・浸水の他にがけ崩れも多く発生している。
神社の境内は地盤が良好、昔ながらの道は大丈夫!などと聞かされていたけど、
今の気象状況では全然あてにならない。
行政のつくるハザードマップも信じていいのか疑わしいところがある。
近年、土砂災害危険区域がどんどん増えてきているうえに、規制も厳しくなってきている。
いつのまにか危険区域内に入っていて、建替えや増築がままならなくなっていた。ということも珍しくない。
私の経験した地域では、大々的に住民に公表せずに公民館などに張り出した!と市役所の方に言われた。なので、傾斜地に建つ家の方は公民館に張り出されている掲示板を見るようにした方がいい。自分の土地がいつの間に建て替えできない土地に指定されているかもしれないからだ。

イエローゾーンと呼ばれる地域は、建物を建ててもいいけど、災害の危険がせまったら避難できる体制を強化しましょう!という地域。だった。
今年から開発行為(土地の造成など)は禁止で、調整区域では建物がたてられなくなる(R04.04.01より)。なので注意が必要。
レッドゾーンでは家が建てられないのか?というとそうではなく、私が携わった地域ではコンクリートの壁を作ることで対応できた。
あらかじめ行政が地域ごとに土砂の総量や傾斜から崩れ落ちく土砂の力を算出し、それに対応できるコンクリートの壁をつくことで回避策となった。
他にもRCの建物なら建てられたりと、地域によって対応も違うと思われる。

浸水や冠水に関しては、ハザードパップを確認して、危険な区域であれば床を高くすること、
あるいは、浸水を防ぐための器具を準備するなどすべきだろう。
もう建ってしまっている家では、いつでも2階で生活できるようにするなどが必要。
ソフト面では、周知のおとり、
氾濫の恐れのある川のそばに住んでいる場合は、逃げる準備が一番大切だろう。
どこに避難するか、一人でいても避難すること。ペットはどうするかなどを常に家族間で確認しておくことが重要だ。

地震に強い家は?
となると、耐震設計された家ということになる。
2階壁の下には、1階の壁があることが良しとされている。
また、壁と壁の間隔や、床の強さも重要になる。
建物重みを支える基礎も、建物が強くなる分強くする必要がある。
さらに、建物全体を支える地盤もとても大切。50センチだけ高くなった盛土が崩れて建物が傾いたケースもあった。
建ててしまってからの地盤補強は、できないこともないがとても大変だ。
一般的な住宅でも何百万もかかる。
建物の上部を軽くすることは、耐震には有効で瓦からガルバリウム鋼板に葺き替える家も増えた。
ガルバリウム鋼板は、瓦の耐用年数には及ばないのが欠点で瓦を望む声もまだまだ多い。
なぜ地震の多い日本で瓦が多く使われてきたかと言うと、そもそも伝統工法の住宅は基礎と木材が緊結されていなかった。石のような束の上にチョンと置かれた状態。
地震や強風の際、建物が浮き上がらないように上から抑え込む働きがあったのではないかと思われる。
その瓦の重みを支えるため、柱も太く揺れなどは柔らかく変形することで力を逃がしていた。建物と地面がつながっていなかったので、ずれることで免振作用もあったのだろう。柔よく剛を制す!の考え方だ。大きな地震の際は、瓦は落ちることで頭の重みも緩和したとも聞く。
また瓦は暑い日差しからの断熱性も高く、焼き締めされた瓦がきれいに並んだ姿は美しい。
しかし、緊結されていない瓦は強風には弱くとばされて他に被害を出してしまったりする。
長短あるので、使い方、バランスを考慮して選ぶ必要がある。

強風に関しては、敷地特有の風の通り道を考えることが大切。
強風が予想される敷地では、建物の形状を考える。
強風が当たる壁や屋根よりも、反対側の屋根が吹き飛ばされる。
強風が当たる面は屋根形状で上から抑え込む力がかかるが反対側は陰圧になって逆に持ち上げられる。
風光明媚な場所は、風が強いことが予想される。風対策も必要だろう。

火事に関しては、敷地からの距離に応じた延焼の恐れのある範囲の壁は防火上の規制がある。
一般住宅では、外からの火事に関しての規制のみが適用されているが、
どう避難するか想定することも重要だと思っている。
セキュリティーと避難は相反していて、悩みどころだ。
避難できるように作ると、セキュリティーが甘くなるからだ。
例えば女性の一人暮らしだとして、1階の寝室は何かと物騒なので二階に寝室を持ってくる。すると火事の際に逃げ遅れる可能性ができる。なのでバルコニーをつけたり屋根づたいに逃げられようにすると、空き巣などが侵入しやすくなる。など。
対策として、侵入しやすい箇所は人目に付きやすくするなどが必要。
だが、こんどはプライバシーの問題が絡む。隠すところ、見えるところを考えないといけない。

などなど、建物を建築するためには敷地から多くのことを読み解くことがとても重要なのだ。

大きな災害時には、ご近所との関係がとても大切になる。
常日頃コミュニケーションをとって、お互いがどんな人か、どんな生活かなど知っていることが重要だと聞く。
たとえば夜中に地震で家が倒れたとする。寝室がどこにあるのかを近所の人が知っていれば、その箇所をめがけて救助ができる。また、何人家族で誰にどうやって連絡すべきかなどをわかっていることも重要だ。災害立国日本置いては近所のコミュニティーはとても重要なのだ。個人主義が進む世の中だけど、多くの人に知っていてもらいたい。
同調圧力の心理も、日本のような災害の多い国では団結することが重要だったために必要だったのかもしれない。

熊本地震の際、とてもまじめな熊本の建築会社の方に話を聞いた。
「施主に言われるんです。あんまり丈夫な家だから補助金が全くもらえないって。
がっかりします。」
人の煩悩は計り知れないなと思った。
命あっての物種。自分の命だけど自分だけのモノじゃなく周囲の人の為のものでもあるはず。
人類も進化しないと。
自戒も込めて。

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